大学のこれから。規模拡大で生き残りを図る

大学のこれから。規模拡大で生き残りを図る

 一方で大規模私大(収容定員8000人以上)は、定員増に動いている。2017年度の入学者については、全国44私立大から前年の2倍に相当する7354人分の増員申請があった。ちなみに京都では立命館大学が472人、龍谷大学が154人の増員予定となっている。全国トップが近畿大学の920人だ。

 

 都市圏の大学が増員すれば、18歳人口は確定しているのだから、ゼロサムゲームで地方大学にしわ寄せが行くだろう。だからといって大都市の私立大学が安泰かといえば、決してそんなことはない。

 

大阪にある追手門学院大の理事長は、「いずれ私立大の半分くらいは淘汰(とうた)される。これからは、社会の要請に適合した大学だけが生き残る(日本経済新聞、2016年6月20日朝刊)」と、冷徹な認識を示している。

 

では、社会の要請に応えるとは、どういうことだろうか。要請を「ニーズ」と言い換えれば、マーケティングの考え方を応用できることが分かるはずだ。